将来の妊娠・出産のために、プレコンセプションケアを考えよう オープンセミナー「プレコンセプションケアのいいこと」レポート(前編)|coco-bana* ココバナ 「未来のワタシに今できること」

将来の妊娠・出産のために、プレコンセプションケアを考えよう オープンセミナー「プレコンセプションケアのいいこと」レポート(前編)

将来の妊娠・出産のために、プレコンセプションケアを考えよう オープンセミナー「プレコンセプションケアのいいこと」レポート(前編)

今、「プレコンセプションケア」が注目されています。これは、将来の妊娠や出産に備えて身体や暮らしと向き合おうというものです。

2017年11月13日(月)、国立成育医療研究センターが設立した「プレコンセプションケアセンター」の2周年を記念したオープンセミナー「プレコンセプションケアのいいこと」が慶應義塾大学で行われ、慶應義塾大学SFC研究所 上席所員の本田由佳さんを司会に、各方面の専門家がそれぞれの立場から、プレコンセプションケアの大切さや将来に向けての課題や展望を話す講演やパネルディスカッションがおこなわれました。

ここではこのオープンセミナーの様子を、2回に分けてご紹介していきます。

■どうして、プレコンセプションケアが必要なの?

プレコンセプションケアとは、「若い世代の男女の健康を増進し、より質の高い生活を送ること」、そして「若い世代の男女がより健康になることで、より健全な妊娠・出産のチャンスを増やし、次世代の子どもたちをより健康にすること」を目的とするものです。

01
医療の進歩によって、妊婦さんや赤ちゃんの死亡率は劇的に下がっていますが、実は先天異常を持つ赤ちゃんの数は減っていません。

先進諸国では、妊婦死亡率や周産期死亡率(満22週~生後1週間以内の赤ちゃんの死亡)は劇的に低下しているものの、先天異常を持つ赤ちゃんが減っていないという現実があります。また、生活スタイルの乱れや肥満、極度のやせすぎ、出産年齢の高齢化などによって、妊娠リスクが高まっていることも、プレコンセプションケアが重要視されている理由のひとつです。

荒田先生は、「肥満は帝王切開や早産のリスクが増すだけでなく、妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病など、妊娠合併症のリスクも増えるもの。また、“やせすぎ”は切迫早産や早産、低出生体重児分娩のリスクが高まる」と話します。

02
▲国立成育医療研究センター・プレコンセプションケアセンターの荒田尚子先生。

また荒田先生は「先天異常を予防するには、妊娠前からのケアが不可欠。妊娠してからのケアでは遅いので、誰にでもプレコンセプションケアが受けられるようになってほしい」と、プレコンセプションケアの必要性を話すとともに、「プレコンセプションケアは妊娠を考えている女性だけのものではない。将来の健康のために、独身女性も男性も取り組むべきものだ」と、プレコンセプションケアへの取り組み方を教えてくれました。

033
▲産科婦人科舘出張 佐藤病院 第12代院長 佐藤雄一先生も、「妊婦さんが極度のやせすぎだと、生まれてくる赤ちゃんも小さい。また、子どもが生活習慣病になりやすいかどうかは、お母さんのお腹にいる頃から決まってきてしまうことがわかってきた。妊娠してからの指導では限りがあるので、プレコンセプションケアを」と、その重要性を話します。

04
▲公益社団法人日本栄養士会 専務理事 迫和子先生によれば、20代女性の22.3%、実に5人に1人は“やせ”なのだそう。肥満ばかりではなく、やせすぎも問題になってきている。

■妊活は何歳までに始めるべきか?

今回男女の身体と妊娠について、国立成育医療研究センター 周産期母性診療センター・副センター長の齊藤英和先生が興味深いデータを発表していました。齊藤先生いわく、年齢とともに妊娠率が下がること、反対に流産や染色体の異常が増えることを紹介。また、女性だけでなく、男性の年齢も妊娠に大きな影響を与えることが伝えられました。

05
▲ひと昔前は「子は授かりもの」といわれていましたが、今の時代はライフプランニングを考慮した妊活も大事と教えてくれます。

加齢による妊娠率の低下を考慮すると、「どうしても子どもがほしい場合、自然受精なら32歳、体外受精でも35歳までには妊活を開始したい」とのこと。育児や教育に加え、親の介護などを考慮して「正しい情報を知って、ご自分のライフプランを設計し、その時々の状況で改変しながら、仕事・家庭を考えてください」とライフプランニングの重要性も話していました。

■プレコンセプションケアの必要性を考えよう

妊娠・出産の高齢化にともない、そのリスクも高くなっているのが現代の日本。でも、知識を知ることで、リスクを減らすことはできます。まずは、プレコンセプションケアがどんなものかを知って、妊娠や出産を迎えてくださいね。後編では、医療機関や企業、政府のプレコンセプションケアへの取り組みをご紹介します。

 

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2018年1月22日
プレコンセプションケア

将来の妊娠・出産のために、プレコンセプションケアを考えよう オープンセミナー「プレコンセプションケアのいいこと」レポート(前編)

今、「プレコンセプションケア」が注目されています。これは、将来の妊娠や出産に備えて身体や暮らしと向き合おうというものです。

2017年11月13日(月)、国立成育医療研究センターが設立した「プレコンセプションケアセンター」の2周年を記念したオープンセミナー「プレコンセプションケアのいいこと」が慶應義塾大学で行われ、慶應義塾大学SFC研究所 上席所員の本田由佳さんを司会に、各方面の専門家がそれぞれの立場から、プレコンセプションケアの大切さや将来に向けての課題や展望を話す講演やパネルディスカッションがおこなわれました。

ここではこのオープンセミナーの様子を、2回に分けてご紹介していきます。

■どうして、プレコンセプションケアが必要なの?

プレコンセプションケアとは、「若い世代の男女の健康を増進し、より質の高い生活を送ること」、そして「若い世代の男女がより健康になることで、より健全な妊娠・出産のチャンスを増やし、次世代の子どもたちをより健康にすること」を目的とするものです。

01
医療の進歩によって、妊婦さんや赤ちゃんの死亡率は劇的に下がっていますが、実は先天異常を持つ赤ちゃんの数は減っていません。

先進諸国では、妊婦死亡率や周産期死亡率(満22週~生後1週間以内の赤ちゃんの死亡)は劇的に低下しているものの、先天異常を持つ赤ちゃんが減っていないという現実があります。また、生活スタイルの乱れや肥満、極度のやせすぎ、出産年齢の高齢化などによって、妊娠リスクが高まっていることも、プレコンセプションケアが重要視されている理由のひとつです。

荒田先生は、「肥満は帝王切開や早産のリスクが増すだけでなく、妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病など、妊娠合併症のリスクも増えるもの。また、“やせすぎ”は切迫早産や早産、低出生体重児分娩のリスクが高まる」と話します。

02
▲国立成育医療研究センター・プレコンセプションケアセンターの荒田尚子先生。

また荒田先生は「先天異常を予防するには、妊娠前からのケアが不可欠。妊娠してからのケアでは遅いので、誰にでもプレコンセプションケアが受けられるようになってほしい」と、プレコンセプションケアの必要性を話すとともに、「プレコンセプションケアは妊娠を考えている女性だけのものではない。将来の健康のために、独身女性も男性も取り組むべきものだ」と、プレコンセプションケアへの取り組み方を教えてくれました。

033
▲産科婦人科舘出張 佐藤病院 第12代院長 佐藤雄一先生も、「妊婦さんが極度のやせすぎだと、生まれてくる赤ちゃんも小さい。また、子どもが生活習慣病になりやすいかどうかは、お母さんのお腹にいる頃から決まってきてしまうことがわかってきた。妊娠してからの指導では限りがあるので、プレコンセプションケアを」と、その重要性を話します。

04
▲公益社団法人日本栄養士会 専務理事 迫和子先生によれば、20代女性の22.3%、実に5人に1人は“やせ”なのだそう。肥満ばかりではなく、やせすぎも問題になってきている。

■妊活は何歳までに始めるべきか?

今回男女の身体と妊娠について、国立成育医療研究センター 周産期母性診療センター・副センター長の齊藤英和先生が興味深いデータを発表していました。齊藤先生いわく、年齢とともに妊娠率が下がること、反対に流産や染色体の異常が増えることを紹介。また、女性だけでなく、男性の年齢も妊娠に大きな影響を与えることが伝えられました。

05
▲ひと昔前は「子は授かりもの」といわれていましたが、今の時代はライフプランニングを考慮した妊活も大事と教えてくれます。

加齢による妊娠率の低下を考慮すると、「どうしても子どもがほしい場合、自然受精なら32歳、体外受精でも35歳までには妊活を開始したい」とのこと。育児や教育に加え、親の介護などを考慮して「正しい情報を知って、ご自分のライフプランを設計し、その時々の状況で改変しながら、仕事・家庭を考えてください」とライフプランニングの重要性も話していました。

■プレコンセプションケアの必要性を考えよう

妊娠・出産の高齢化にともない、そのリスクも高くなっているのが現代の日本。でも、知識を知ることで、リスクを減らすことはできます。まずは、プレコンセプションケアがどんなものかを知って、妊娠や出産を迎えてくださいね。後編では、医療機関や企業、政府のプレコンセプションケアへの取り組みをご紹介します。

 

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