睡眠時間を確保するために~眠る時間ではなく起床時間をそろえるコツ

2019.06.26

「寝つきがよくない」「なかなか眠れない」など、眠りに関する不安を抱えている方は多いと思います。今回は、睡眠時間を確保する方法として、起床時間にポイントを置いた方法をお伝えします。

睡眠時間を確保する方法というと、早く寝床に入ることを思い浮かべるでしょう。しかし、睡眠時間を確保するために眠くもないのに寝床に入ったり、そもそも睡眠時間の長さにこだわったりといった行動は、実は良質な睡眠のためにはよくないのです。

その理由をお話しする前に、まずは2つの、知られざる睡眠の誤解を紹介しましょう。

知っていましたか?睡眠の“誤解”

睡眠時間を確保するために~眠る時間ではなく起床時間をそろえるコツ

1.睡眠時間が短いだけでは
「不眠症」とは診断されない!

日本人の睡眠時間は平均約7時間程度といわれていますが、人によっては3時間で間に合う人もいますし、10時間ほど確保しないとつらいという人もいます。そして、健康な人でも年齢とともに睡眠時間は少なくなり、高齢になると中途覚醒(途中で目覚めてしまうこと)や早朝覚醒(意図せず早朝に目が覚めてしまうこと)が増えてきます。

不眠症は不眠そのものだけではなく、「日中に不調が出現すること」も問題です。逆にいえば、日中に支障がなければ睡眠時間が短くても不眠症とは診断されません。このように、睡眠時間は人それぞれと認識し、7時間未満でも以上でもあまり気にしないようにしましょう。

2.眠くないのに寝床に入るのは
実はよくない!

睡眠時間を確保するために、眠くはないけれども寝床に入って眠くなるのを待つ、なんてことはありませんか? 実はこれ、良質な睡眠のためにはよくないことなんです。

その理由は、眠くないのに無理に眠ろうとするとかえって心身の緊張が高まってしまい、眠りへの移行を妨げてしまうからです。また、不眠を経験すると、心配になるあまり早く寝床に入ろうと思いがちですが、意図的に早く寝床に就くと、かえって寝つきが悪くなります。

旅行先で早めに布団に入ったのに、“枕が変わった“せいか、なかなか眠れなかった経験はないでしょうか。眠る場所が同じでも、時間が違うと同じように認識してしまうのかもしれません。

睡眠時間を確保するためには
「起床時間」を意識しよう

睡眠時間を確保するために~眠る時間ではなく起床時間をそろえるコツ

それでは、これらのことを知った上で、入眠時間と起床時間を意識して良質な睡眠を得られるようにするためには、どんなことをすればよいのでしょうか。

厚生労働省の「健康づくりのための睡眠指針2014」に書かれている「睡眠12箇条」から、該当する部分を引用して解説します。

第 10 条

眠くなってから寝床に入り、起きる時刻は遅らせない。

眠たくなってから寝床に就く、就床時刻にこだわりすぎない

眠ろうとする意気込みが頭を冴えさせ寝つきを悪くする

眠りが浅いときは、むしろ積極的に遅寝・早起きに

厚生労働省「健康づくりのための睡眠指針2014」

1番目から3番目までは、上に挙げた「睡眠に関する知られざる常識」の中でも触れています。ポイントは最後の「眠りが浅いときは、むしろ積極的に遅寝・早起きに」です。

大切なのは、眠くなってから寝床に入ることで遅寝になってしまっても、朝起きる時間を遅らせず、できるだけ決まった時間に起きることです。なぜかというと、朝の一定時間に起きて太陽光を浴びることにより、入眠時間が徐々に安定していくため。遅く寝た日は起きるのがつらいですが、翌日以降のよい睡眠のために頑張って一定の時間に起きてみましょう。

睡眠を確保するためによいとされていることはたくさんありますが、睡眠にトラブルを抱えているときはどうしたらいいのかと不安になってしまいますよね。今回紹介した「起床時間を一定に保つ」が、ちょっと大変かもしれませんが、薬やグッズもいらないので明日から試せます。ぜひ試してみてはいかがでしょうか。

【参考文献】
『健康づくりのための睡眠指針 2014』(厚生労働省)
「不眠症」(厚生労働省 e-ヘルスネット)

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