季節の変わり目に質の高い睡眠を!“冷えと睡眠との関係”を知ろう

2019.05.24

日増しに暖かい日が多くなり、汗ばむ日も出てくる季節になりました。とはいえ、梅雨にはまた冷えを感じることも…。さらに夏になっても冷えに悩む方は少なくないのではないでしょうか。300人の女性を対象にした一般社団法人日本健康倶楽部によるアンケートでは、冷えやすいと感じる体の部位の1位が「足先」、2位は「手先」という結果でした。

実はこの、手足・足先の冷えは睡眠にも大きな影響を与え、不眠につながる要因だとされているのです。さらに、エアコンの影響や冷たいドリンクやアイスのとりすぎによる「夏冷え」という言葉も。たとえ夏であっても、質のよい睡眠のために冷え対策は重要なのです。

なぜ、体の冷えが睡眠に影響するのでしょうか? その理由と、よい睡眠を得るのに役立つ具体的な方法を紹介します。

「1日の体温の変化」を知って、体温ケアにつなげよう

季節の変わり目に質の高い睡眠を!“冷えと睡眠との関係”を知ろう

末端の冷えが不眠につながる理由は「1日の体温の変化」にあります。

人間は活動量の増える日中に体温が上昇し、活動量の低下する夜間に体温が下がります。そして、睡眠中はさらに体温を下げ、脳のクールダウンを図っています。よく「赤ちゃんの手足が温かくなってくると眠たくなったサイン」といいますが、これは体の中心の温度を下げるために、手足の体温を上げて熱を体の外に逃がしているのです。

そして、大人の体でも同じメカニズムが働いています。手足の温度が上がった後に体の中心の温度が下がり、眠気が訪れるため、末端はもちろんのこと体全体が冷えていると、この放熱がうまくいかず、スムーズに入眠できなくなってしまうのです。

入浴で体温を「0.5度」上げて、寝つきを改善

季節の変わり目に質の高い睡眠を!“冷えと睡眠との関係”を知ろう

冷えを解消するよい方法として挙げられるのは入浴です。体温を0.5度程度上昇させると、寝つきがよくなる効果が認められています。体温を0.5度上げる入浴法は、「38度のお湯で25分〜30分」、「42度のお湯なら5分程度」が目安です。

また、腹部までを湯船につけ、40度のお湯で30分ほど入浴する半身浴でも寝つき改善の効果があります。体を睡眠へと促すために睡眠前の入浴で手足の温度を上げるのは、とても理にかなっているわけです。

さらに、深い睡眠を得るためには熱めの湯温で体温を2度上げると効果が大きいという報告もありますが、入浴にかけられる時間や、その日の体調に合わせて入浴法を選びましょう。

体温を上げるには、適度な運動もおすすめ

季節の変わり目に質の高い睡眠を!“冷えと睡眠との関係”を知ろう

日中から夜への体温の変化をスムーズに促す生活習慣としては、適度な運動が挙げられます。「e-ヘルスネット」によれば、運動習慣と睡眠には関係があるとされています。

国内外の疫学研究(数千人を対象とした質問紙調査)において、運動習慣がある人には不眠が少ないことがわかっています。とくに睡眠の維持に習慣的な運動の効果があるようです。

では、いつごろに運動するのがいいのかというと「就寝3時間くらい前」。脳の温度が上下するときに睡眠状態になりやすく、運動で脳の温度を一時的に上げると、脳の温度の低下幅が運動をしないときに比べて大きくなるからです。

“脳の温度差”を入浴や運動で作ることによって、よい睡眠が得られやすくなります。

質のよい眠りのために、睡眠環境の改善ポイント

季節の変わり目に質の高い睡眠を!“冷えと睡眠との関係”を知ろう

睡眠環境も睡眠の質に大きな影響を及ぼします。寝具、寝室の湿度や温度、音、光などを整えるだけでも、不眠が解消されるケースもあるそうです。

人間が深い眠りにつくために放熱し、発汗が起こっていることを考えると、吸湿性・放湿性が高く、保温性のよい寝具を選ぶのがいいでしょう。また、枕の高さや角度は首が巻き込まれたり反ったりすることなく、立っている時と同じ状態を保てるようにすることがポイントといわれています。

自分一人でちょうどよい角度を選ぶのはなかなか難しいので、寝具や枕の専門店で実際に寝心地を試して、スタッフと相談しながら選ぶのがよいでしょう。ベッドマットや敷布団は、寝たときに腰の部分のS字カーブの隙間が2〜3cmになる状態が、一番体に負担が少ないといわれています。こちらも枕と同じく、専門家の力を借りて選ぶと安心です。

冷えや不眠の悩みには、長年悩み続けている人も多いとは思いますが、習慣を変えたり環境を変えることで、解消のきっかけが見つかるかもしれません。冷えと睡眠との関係性を知り、健康的な生活習慣を心がけ、質のよい睡眠を目指しましょう。


【参考文献】
冷え性に関する調査」(株式会社薬事法ドットコム)
須田智也「寒さと睡眠」 (「健康ひとくちメモ」杏林大学医学部付属病院)
樋口 重和「快眠と生活習慣」(「e-ヘルスネット」厚生労働省)
有竹 清夏「快眠のためのテクニック-よく眠るために必要な寝具の条件と寝相・寝返りとの関係」(「e-ヘルスネット」厚生労働省)

pagetop