妊娠中から出産後に、なぜ眠れなくなるの?その対策は?

2019.05.24

女性の心身の状態は常にホルモンバランスによって大きく左右されますが、妊娠中から出産後は特に激しい変化が起こります。それに伴って、睡眠の不調に悩むママも少なくありません。あなた自身のこととして、または身の回りの妊婦さんや出産後のママのなかにも、思い当たる人がいませんか?

今回は、妊娠前から知っておきたい、妊娠中から出産後に起こりやすい「眠気」や「不眠」の原因・対策について解説します。

妊娠中はホルモンバランスが変化し、「眠気」や「不眠」に

妊娠中から出産後に、なぜ眠れなくなるの?その対策は?

女性の心身のリズムをつくり出しているのが、卵胞ホルモンの「エストロゲン」と、黄体ホルモンの「プロゲステロン」の2種類のホルモン。妊娠前期はプロゲステロンの影響で、日中の眠気が強くなりますが、中期は比較的安定します。

ところが後期になると、子宮の増大・収縮や胎動、頻尿、腰痛などの影響で、夜中に何度も目が覚めて寝つけない「中途覚醒」があらわれやすくなります。
妊娠中はなるべく無理をしない生活を心がけつつ、適切な運動を取り入れると、よりよい睡眠につながります。

2005年に日本臨床スポーツ医学会が発表した「妊婦スポーツの安全管理基準」によると、妊婦に適切な運動強度の目安は、「心拍数で150 bpm以下、自覚的運動強度としては『ややきつい』以下が望ましい」「連続運動を行う場合には,自覚的運動強度としては『やや楽である』以下とする」とされています。15時以前なら、短時間の昼寝もOKです。

また、妊娠をきっかけに、睡眠中に呼吸が止まる「睡眠時無呼吸症候群」を発症することもあります。こちらは胎児の発育障害や妊娠高血圧につながる場合もあるので、症状が重いときは速やかに医師の治療を受けましょう。

出産後は授乳や赤ちゃんのお世話で睡眠時間が減少&細切れに

妊娠中から出産後に、なぜ眠れなくなるの?その対策は?

さらに産後は、授乳や赤ちゃんのお世話などで物理的に睡眠時間が減少・細切れになるだけでなく、急激なホルモンバランスの変化や子育てのストレスなどによって、不眠に陥ってしまうことも。赤ちゃんといっしょに短時間の仮眠をとったり、周囲の協力を仰いだりして、少しでも睡眠時間を作れるように心がけると効果的です。

また、産後数日後の女性に多くあらわれるのが「マタニティブルー」。眠れない・涙もろくなる・気分が落ち込む……といった症状が特徴で、通常は数日で自然に治ります。長引く場合は「産後うつ」の可能性も考えられるので、なるべく早めに精神科を受診しましょう。

自治体のサポート制度や、睡眠グッズを活用しよう!

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家族などのサポートを受けるのが難しい場合は、自治体による「産後ケアサービス」を活用するという手もあります。産後ケアサービスの有無やサービス内容は各自治体によって異なりますが、例えば助産師が常駐する施設に親子で日帰り・宿泊して、育児相談をしたり、健康チェックを受けたりすることができます。お住まいの地域の産後ケア内容については、お住まいの地域を担当する保健所の保健師や、各自治体の担当窓口に問い合わせてみましょう。

妊娠中から出産後に、なぜ眠れなくなるの?その対策は?

また、妊娠中・出産後の不眠には、市販の安眠グッズを活用してみるのもオススメです。抱き枕やクッション、アロマオイルなどさまざまな商品があるので、ぜひ自分に合ったものを探してみましょう。ただし、アロマオイル(精油)は妊娠中使えないものもあるので、使う場合は必ず医師や専門家のアドバイスを受けるのをお忘れなく。

赤ちゃんを出産したあとも、長い子育て生活が待っています。子どものためにも、決してママひとりで無理はせず、不調が続いたらすぐに医師に相談してみてくださいね。

【参考文献】
「女性の睡眠障害」(厚生労働省 e-ヘルスネット)
「妊婦スポーツの安全管理基準」(『日本臨床スポーツ医学会誌 Vol. 13』一般社団法人日本臨床スポーツ医学会 2005年)

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