睡眠不足予防のために!
知っておきたい“睡眠の勘違い集”

2019.01.29

現代人の多くが、睡眠不足に悩んでいます。しかし、その原因の一つが「勘違い」によるものだとしたら…? よくある“睡眠に関する勘違い”を紹介します。あなたも勘違いしていないか、ぜひチェックしましょう!

少しなら「寝酒」は効果的?
→慣れのため少量では寝付けなくなる

寒い冬の夜に、燗を付けたお酒を飲んで、体を温めてから寝つく「寝酒」の習慣は古くからあります。血中に含まれたアルコールが血流を通じて脳にいたり、脳の働きを麻痺させるため、リラックス効果があるのです。お酒を飲むと眠くなるのも同じ理由で、寝酒を睡眠導入に利用している人も少なくありません。

しかし寝酒を続けていると、かえって逆効果。アルコールに体が慣れて徐々に飲む量が増え、少量のお酒では眠れなくなってしまいます。また、一時的な入眠効果はありますが、眠りが浅くなり、就寝中に目が覚めてしまう回数が増え、長い時間眠っても睡眠不足を感じやすくなるのです。特に、妊娠中は少量のアルコールでもNGですから、寝酒以外の方法で睡眠前にリラックスできる習慣をつけるよう心がけたいですね。

寝る前にコーヒーでリラックスはOK?
→就寝の3〜4時間前以内に
飲むのはNG

湯気から立ち上るコーヒーの香りは、脳に刺激を与えてα波を出させ、心をリラックスさせてくれると言われています。それでは寝酒の代わりにコーヒーを寝る前に飲むのはアリなのでしょうか? その答えはNG。コーヒーに含まれるカフェインには、中枢神経系を刺激して興奮させる作用があるためです。

その結果、せっかく布団に入って体が温まってきても、頭が冴えて眠れなかったり、寝ついたのに眠りが浅くなってしまう可能性があるのです。さらに、カフェインには利尿作用も。夜中に尿意で目が覚めてしまう原因にもなってしまいます。

コーヒー以外にも、せん茶や紅茶、ウーロン茶などにもカフェインは含まれています。就寝前にはカフェインが少ないデカフェ(カフェインレス)のコーヒーや、ノンカフェインのお茶(ルイボスティーや麦茶、昆布茶、そば茶など)を選ぶといいでしょう。

  • コーヒー :60mg/100g(浸出方法:コーヒー粉末10g/熱湯 150ml)
  • インスタントコーヒー :57mg/100g(浸出方法:インスタントコーヒー2g/熱湯140ml)
  • 玉露 :160 mg/100g(浸出方法:茶葉10g/60℃の湯 60ml、2.5分)
  • 紅茶 :30 mg/100g(浸出方法:茶5g/熱湯 360ml、1.5~4分)
  • せん茶 :20 mg/100g(浸出方法:茶10g/90℃の湯 430ml、1分)
  • ウーロン茶 :20 mg/100g(浸出方法:茶 15g/90℃の湯 650ml、0.5分)
  • エナジードリンク又は眠気覚まし用飲料<br />:32 ~ 300 mg/100g(製品1本当たりでは、36~150mg)

(日本食品標準成分表2015年版(七訂)および食品安全委員会「ファクトシート・食品中のカフェイン」より作成)

眠りの質を高めれば
短時間睡眠でもOK
→必要な睡眠時間は人それぞれ

書店の健康本の棚で必ず見つかるのが「短時間睡眠法」の書籍。短時間で効率よく睡眠を取りたい現代人の悩みを背景に、根強い人気を集めているジャンルです。しかし、そもそもの基準となる自分にとっての「最適な睡眠時間」を知っているでしょうか?必要な睡眠時間は個人によって大きく異なるだけでなく、年齢によっても変化します。

NHK放送文化研究所が5年ごとに調査している「日本人の生活時間」の2015年の調査データでは、性別や年代によって平均の睡眠時間量が異なることが分かります。

国民全体の平均睡眠時間(平日)
7時間15分

男性(平日)

  • 10代:7時間47分
  • 20代:7時間27分
  • 30代:6時間59分
  • 40代:6時間50分
  • 50代:6時間51分
  • 60代:7時間20分
  • 70歳以上:8時間11分

女性(平日)

  • 10代:7時間33分
  • 20代:7時間18分
  • 30代:7時間05分
  • 40代:6時間41分
  • 50代:6時間31分
  • 60代:7時間05分
  • 70歳以上:7時間50分

NHK放送文化研究所「日本人の生活時間・2015」のデータより抜粋

睡眠時間が不足しているかどうかは、日中の眠気が基準の一つになります。日中の活動に支障があるほどの眠気ならば、睡眠時間が不足していると考えられます。仮に短時間睡眠によって、朝の目覚めが良かったとしても日中に眠らざるを得ないのであれば、あまり意味がないと言えるでしょう。

休日の寝だめ
→かえって睡眠が浅くなる

同じくNHK放送文化研究所「日本人の生活時間」の2015年の調査データによると、男女とも平日の睡眠時間より土日の睡眠時間が、どの年代も多くなっています。休日の「寝だめ」で、平日の睡眠不足を補おうとしてしまう人もいますが、実はそれもNG。睡眠時間はためておける性質のものではありません。

睡眠不足の状態が続いたままだと「寝だめ」をしても補えないばかりでなく、遅い時間まで眠っていると網膜に光が当たらないため体内時計が調整されず、眠るべき日曜の夜に眠れなくなったり、月曜の朝に起きられなくなってしまうのです。

睡眠時間確保のため、就寝時間を定める
→眠くないのに寝床に入ると
かえって緊張する

毎日決まった時間に起きるためには、どうすればいいのでしょうか。毎日決まった時間に眠りに就く…のが必ずしも正解だとは言えません。眠くないうちに布団に横になって、眠れないまま朝を迎えた経験はないでしょうか? そんなときは「眠ろう」と思えば思うほど、緊張して頭が冴えてしまうものです。

眠くなったときに布団に入るのが、実はスムーズな入眠への近道。もし布団に入っても眠くならないときは、音楽を聞いたり本を読んだりして気分を変えると、入眠しやすくなります。

そして、毎日決まった時間に起きるための方法は、「寝床に入る時間が遅くなっても、起きる時間は変えない」ということなのです。その際、朝の目覚めとともに太陽の光を浴びましょう。光によって体内時計を調整することで、入眠の時間も少しずつ安定し、決まった時間に眠くなるようになるのです。

【参考文献】
厚生労働省健康局「健康づくりのための睡眠指針 2014
「寝酒」(日本国語大辞典)
文部科学省『日本食品標準成分表2015年版(七訂)
食品安全委員会「ファクトシート・食品中のカフェイン
NHK放送文化研究所「日本人の生活時間・2015

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