管理栄養士直伝!女性に不足しがちな栄養素の効率的なとり方

2018.09.05

妊娠を考える女性たちは、みなさん毎日の食事や栄養素に気を使っていますよね。でも実は、多くの女性が必要である栄養素をきちんと摂取できていない実態もあるといいます。

一体それはなぜなのか。管理栄養士でフードコーディネーターの柿田江梨子さんにお話を伺いながら、妊娠を気にかける女性が取るべき栄養素と、効率的な摂取方法についてご紹介します。

妊娠を考える女性が足りていないのは、ズバリ◯◯!

柿田さんは、現代女性にはズバリ「エネルギー・野菜・カルシウムが足りない!」と指摘してくれました。
厚生労働省の発表によれば、20代の成人女性のうち、21%超が痩せ形であるという統計もあります。朝食欠食率(朝ごはんを抜いてしまう人の割合)も若い年齢になるほど上昇傾向にあり、こうした日々の乱れた食習慣が、総摂取エネルギーを引き下げていることも問題視されています。

さらに、食習慣を細かくみてみると、以下の2点が大きな問題として取り上げられています。

・野菜不足

エネルギー不足とも関連する栄養素の不足。柿田さんは「自炊でも、外食や市販のお惣菜を買う際にも好きな物や特定の食べ物などに偏らないよう注意が必要」といいます。

「平姓28年に行われた、国民健康・栄養調査によると、1日の野菜摂取量は20〜30代の女性が最も低く、ビタミンA、ビタミンC、食物繊維が推奨量に届いていないという結果が示されています。朝食欠食なども関係していますが、手軽に食べられるコンビニ食やインスタント食品が習慣化し、ワンパターンな食事になりがちなことも、栄養素が偏る原因とされています」

ビタミンAには目や皮膚・粘膜の健康維持、ビタミンCは美肌作りに効果的であるだけでなく、免疫力を高めたりコラーゲンの生成を助けたり抗ストレス作用があります。また、食物繊維も腸内環境の改善や血糖値の急激な上昇を防ぐには必要不可欠です。

・カルシウム不足

カルシウムの摂取量は、あらゆる世代で「推奨量に満たない」という指摘もあります。目安となる数値を、柿田先生は教えてくれました。

「官民によるプロジェクト『健康日本21』では、牛乳・乳製品の摂取量の目標値を130g/日としています。ただ、実態からすると20代女性は93.3g、30代女性は104gと算出されており、このことからもカルシウムの摂取量が推奨量を大きく下回っていることが分かります。成人女性のカルシウムの1日の推奨量は650mgです。カルシウムは骨や歯を形成し、筋肉の収縮を助けるなど、その働きは多岐にわたります。妊娠中のカルシウム不足も胎児の成長に影響を与える可能性がありますので、日々摂取するよう心がけましょう」

このほか、たんぱく質や葉酸、鉄など、細かくあげると不足傾向にある栄養素は、まだまだたくさんあるそうです。気軽に摂取できそうなものから、意識してみましょう。

3種の栄養を効率的に摂取する「時間栄養学」という考え方

意識すべき栄養素が分かったところで、さらに効果的な摂取方法を柿田さんに教えていただきました。

「近年では『何をどのくらい食べるか』という従来の栄養学をベースに『いつ食べるか』という新たな視点を加えた『時間栄養学』という分野が急速に発展しています。効率的な摂取を心がけるなら、この“いつ食べるか”を意識することはとても重要です」

時間栄養学とは、体内時計の仕組みと大きく関連しています。人間の体は生体リズムが1日あたり約25時間周期で推移しているため、意識していないと1時間のずれが生じていきます。これを防ぐための策として、体に“朝が来た”と知らせてくれる朝食は重要となるそうです。

「栄養素を充足させる観点からも、妊娠を考える女性に朝食はやはり必須ですね。朝食を食べる習慣がない方も多いかと思いますが、脳のエネルギー源となる炭水化物のごはんやパンなどの主食に加え、卵や肉、魚、納豆などの豆類で良質のたんぱく質を、更にビタミンやミネラルを補給するための野菜や果物を朝から摂取していただくとベストです」

みなさん朝食、しっかり食べていますか? 朝食は非常に重要であるとわかれば、明日からの食生活も見つめ直せそうですね。

不足気味な栄養素はいつ・どのように摂取すればいい?

最後に、不足しがちだという栄養素「ビタミンA」「ビタミンC」「食物繊維」「カルシウム」はいつまたは、どのように摂取するのが効果的か、それぞれ教えていただきました。

・ビタミンA

動物性食品(レバーなど)に多いビタミンAは、どのような食べ方でも比較的よく吸収されます。また、緑黄色野菜にはビタミンAの元となるβ-カロテンが豊富に含まれていますが、油脂と一緒に調理することで吸収率がより高まるので、野菜炒めなどで併せて摂取するのが効果的です。

・ビタミンC

ビタミンCは水溶性ビタミンなので、水に溶けやすく熱に弱いです。野菜を水にさらしすぎたり加熱しすぎたりしないように、まずは注意してください。ビタミンCというとレモン〇個分と表現されることも多いので代表格のイメージですが、旬の時期の果物や野菜にも多く含まれます。

・食物繊維

朝食で食物繊維を摂取すると、腸のぜん動運動を促し、お通じにもいい影響を与えてくれます。メニューが多くなりがちな夕食で摂れば、脂質や糖質の吸収を抑えたりする働きも期待できます。腸内環境を整え、便秘の改善や予防につながる食物繊維は、3食ともに積極的に取り入れていきましょう。

・カルシウム

カルシウムは夜寝ている時に吸収されるため、意識して摂る場合は、眠りに付く1時間半~3時間半前に摂取すると効果的です。吸収率は、牛乳や乳製品、小魚、青菜の順に高いので、料理の好みや献立を考慮しながら摂っていただきたいですね。また、きのこなどから摂取できるビタミンDは、カルシウムの吸収を促進してくれるので併せて摂るよう心がけましょう。また、ビタミンDは日光を浴びることによって、人の皮膚でも作られますので適度に日光に当たる機会もカルシウムの吸収に役立ちます。

朝はギリギリまで寝ていたい。そんな女子の本音も理解できますが、明日からは、バランスのよい朝食から1日を始めてみましょう!

【参考】
健康日本21
平成28年「国民健康・栄養調査」の結果(厚生労働省)
日本人の食事摂取基準(2015年版)の概要(厚生労働省)
やせ形の女性は健康に注意を 13年最多の12.3%、厚労省調査(日本経済新聞)

この記事に取材協力してくれた方

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管理栄養士・柿田江梨子

小学校時代の給食などをきっかけに、食事や栄養へ関心を持ったことで管理栄養士を志す。病院の給食管理業務や軟菜食調理、社員向けの給食管理業務などを経験。その後、6歳と3歳の2児の出産育児などを経て、フリーランスに。食に悩む母親たちとふれあいながら、自身の経験を糧に母子の食育にも精力的にも取り組む。一般社団法人 輝栄会 主催の「健康美食料理コンテスト 2017」に出場。
柿田江梨子さんInstagram
https://www.instagram.com/kakky.child_meal_time

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